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日々の思うこと

記憶の整理(お題:忘れたいこと)

今週のお題「忘れたいこと」

自分の中での鮮烈な感情というものはなかなか忘れられるものではない。
わたしの忘れたいことは、そうした感情そのものだ。
その感情に紐付けられた記憶はともかく、感情はやっかいである。
自分の中にだけ置き去りにされた感情を、わたしはどうすることもできないでいる。

忘れたいことほど強く記憶に刻まれるということをどこかで読んだことがある。
そうした記憶ほど何度も反芻してしまいがちだからであろうが、覚えていたいことほど記憶に残りづらいらしいのに、忘れてしまいたいことほど忘れづらいのは皮肉なものだ。
とはいえ、無理に忘れようとせずとも時間が経てば、いずれ忘れたい感情の記憶は薄れていくだろう。

切り花がしおれてしまうように、どこかから切断されてしまった感情は、自らのうちにあるエネルギーを使い切ったら消えてしまうと思うからだ。

忘れたいからと無理に忘れるのではなくて、あの時はああ思っていたなんて、いつか思い出になる時が自然に来たらいいのかもしれない。

忘れたいと思うことほど、実のところ忘れたくない気もする、と京王線にゆられながら思った。